部屋の照明はシーリングライトか、おしゃれな電球か。
空間の効率を考えればシーリングライト一択……と言いたいところだが、実は俺はゴリゴリの「電球(ダクトレール)派」だ。
カフェのようなおしゃれな空間を作りたいから? いや、違う。もっと切実で、のっぴきならない理由がある。
すべては 「家庭内監視カメラを24時間稼働させるため」 なのだ。
ダクトレールと監視カメラの「電源問題」
我が家には1歳の息子と猫がいる。彼らの安全を見守るため、そして万が一の事態に備えるため、部屋の状況を俯瞰できるネットワークカメラはもはやインフラだ。
天井のダクトレールにカメラをマウントし、そこから電源を取る。配線もスッキリして最高のソリューションに思えるが、ここで大きな壁にぶち当たる。
「壁の照明スイッチをOFFにすると、ダクトレールの電源ごと落ちてカメラも死ぬ」 という物理的な仕様だ。
カメラを24時間稼働させるには、壁のスイッチは常に「ON」で固定しなければならない。
しかし、夜になれば当然電気は消したい。(本気でやるなら壁の中からカメラ用の電源をバイパスして引っ張ってくる工事が必要だが、流石に面倒すぎる)。
矛盾を解決する唯一の手段「Philips Hue」
「常に通電させつつ、光だけを消す」。
この矛盾を解決するために行き着いたのが、スマート電球の 「Philips Hue」 だった。
壁のスイッチはガムテープで固定する勢いで常にON。照明のON/OFFはすべてHueのアプリや専用のリモコン、自動化システムに委ねる。
俺が電球派なのは、インテリアへのこだわりというより、 監視カメラの電源を確保するための「システム的な必然」 だったというわけだ。
導入から6年。IoTデバイスの「老い」とメンテナンスの苦悩
これで完璧なスマートホームが完成した……はずだった。しかし、導入から約6年が経過し、最近システムにガタがきている。
- Hueが言うことを聞かない
通電はしているし、物理的に光ることは光る。しかし、肝心のリモートコントロールがうまく効かない時が頻発するようになった。ネットワークの海で迷子になり、ただの「ちょっと高い電球」と化す瞬間があるのだ。 - 人感センサーの「電池切れ」というアナログな罠
照明の自動化に欠かせない人感センサーだが、こいつの電池が切れると途端に生活のインフラが崩壊する。そして「電池を交換する」という極めてアナログで面倒なタスクが発生する。
効率化や自動化を目指して導入したはずのIoTデバイスが、経年劣化によって逆に「メンテナンスの手間」というノイズを生み出している。これはスマートホーム構築における最大のジレンマだ。
まとめ:それでも監視カメラの安心感には代えられない
システムの不具合、経年劣化、電池交換の煩わしさ。
色々と文句を書き連ねたが、それでも俺はこの「ダクトレール+Hue+監視カメラ」の構成をやめる気はない。
なぜなら、息子に何かあった時や、外出先から猫の様子を確認したい時、天井から部屋全体を見渡せるカメラの存在は、何物にも代えがたい安心感だからだ。
スマートホーム化は、設定して終わりではない。運用とメンテナンスという泥臭い現実がずっと続く。しかし、家族の安全という絶対的な価値の前では、センサーの電池を渋々交換するくらいの手間は、喜んで受け入れるべきコストなのだろう。